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究極ホ乳類ニシイ




ピエール瀧 PRESENTS 究極ホ乳類ニシイ
(COMIC牙COMICS・2003・DVD)











 改造手術によって最強の肉体を手に入れた究極ホ乳類ニシイ。その肉体の究極たる所以を、アツアツのおでんや、エアガンなどを用いて一つずつ検証するって内容。まあ、このニシイってのは、ピエール瀧のマネージャーで、要はただの素人。つまり、「痛くないし当たらないですよ」とか設定上うそぶくパンティ一枚の素人を、ゾッケラー総帥(ピエール瀧)が遠慮なくエアガンで打ちまくるというただそれだけの企画です。ハッキリいってしまえばわざわざDVD化する意義が一体どこにあるのか首を傾けざるをえないブツだけれど、このショボサはかなり笑える(おもしろくない人には全くおもしろくないだろうけど)。

 ぼくが大好きなのはESPカードを使った第9話と、100メートル走に挑んだ第10話。4枚中1枚カードの模様を当てただけでマジで大ハシャギするニシイ、究極ホ乳類がそんなことで喜んでいていいのか?「この前(100m)6秒2出しました」とのたまうニシイ。早速タイムを計ってみると12秒58。でも、結構速い。「おまえ結構速いぞ!?」と瀧がビックリすると、「結構速いですね」と返事をする。二人で意外な速さに興奮する様に爆笑しました(ちなみに結構速いタイムが出たのは100m走といいながら、コースの長さを正確にはからなかったため)。フツウの課題をフツウにこなすフツウの人を撮っただけでしょ?この企画は。それこそがおもしろいわけだから、痛いのや苦しいのをニシイにガマンさせる(お灸をしたり、電流流したり)よりは、こういう趣向の方が笑えるんだよね。

 DVDの特典としては、未放送分一話、瀧、ニシイによる副音声解説、ボーナストラックの「ピエール瀧の体操36歳」のみ。テレビ未放送は一話だけだし、体操36歳も前作「体操30歳」に比べればインパクト薄い。だけど、瀧とニシイによる副音声はおもしろい。流れる映像に合わせて瀧とニシイが勝手に喋ってるだけなんだが、ニシイと瀧の普段の主従関係が伺えて興味深い・・・って、要は本編そのまんまなんだけどね。

 ロケもほとんど行き当たりばったりだったらしく、ニシイがコスチュームをなくして、パンティ履いたただのオヤジになってる回があったりする。この種のいい加減さをDVDで味わえる喜び、本作のいいところはまあ、それぐらいですかね。ともあれピエール瀧は、電気グルーヴ時代、いや人生時代から、やってることが全く変わってないのがすごい。



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