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「覚えておくと一生役に立つ」知恵を100個ほど掲載した本。著者オリジナルの知恵もかなりあるそうだ。 某テレビ局の番組など、この手の「知恵モノ」が多く流通する中で、本書の特徴はその知恵のチョイスと、子ども向きという性格にある。掲載されている知恵もわりかし有名なものが多く、他の知恵モノに比べ地味なものが多い。 毎回、こういう知恵とか紹介されると思うのは、感心はするんだけど、どれくらいその知恵って使う可能性があるのかなってこと。たとえばこの本で紹介されているハンコの汚れを取る知恵とか。よく噛んだチューインガムをハンコにくっつけて取るらしいのだが、そんなにハンコの汚れってぼくは気にならないし、第一気になったときにガムなんか噛んでないし。「ハンコ汚れも気になってきたし、ガムでも買いにいくかあ」てな感じにもなりにくいだろうしなあ。 というわけで、著者が子ども達に学んで欲しいのは、各々の知恵それ自体ではなく、実は「賢く生きようとする生活態度」なのではと思った次第。ガムをこんな風に使えるのだという一例を紹介することで、身近な品々を目的以外に使用できたりすること、そういう別の使い途を発見したり、それがなぜなのかを考えたりするクセ、そういったものをこそ身につけてほしい、という目的の元にこの本が編まれたんだろうなあって思うし、そういう意味では、よくできた本・それなりのオリジナリティを感じる本だと思った。 こどもだけでなく、大人もこの本を読めば、そういう生活エートスを身につけることができるかもしれない。そういう意味で大人にも含蓄があるものだと思います。 ■１つ前のレビュー ■次のレビュー |
