白木の森 第2回解説

*知らない人にとっては正直、間違い探し的なところあるからな

   

 左がスティーヴィー・ワンダー。右がレイ・チャールズ。盲目、黒人、よくピアノを弾いているという共通点があるため、ごっちゃになってしまっている人をたまに見かける。缶コーヒー(FIRE)のCMや、NTTのCMソング「アイ・ジャスト・コール・トゥ・セイ・アイ・ラブ・ユー」なんかを歌ってるのがスティーヴィー左。和田アキ子と友達だったのが「ソウルの生みの親」、レイ右だ。レイ・チャールズは先日亡くなってしまったので、よくわからない人は、まだ生きてる方が左スティーヴィー、もう死んでしまった方が右レイと覚えておこう。髪の毛の長さで区別するのも効果的。


*ニック・ロウ



 「英国のザ・バンド」、ブリンズリー・シューウォルツのメンバー。ブリンズリーは解散して、現在はソロ。コンスタントに作品を発表している。プロデューサーとしても有名で、エルヴィス・コステロのファーストアルバムなんかをプロデュースしている。スティッフ・レコードの生みの親。写真は現時点での最新作『ザ・コンヴィンサー』のジャケットから。これはね、すっごいよかったです。オトナの味がわかる人には絶対おすすめ。


*XTC



 パンク全盛期にちょっと遅れてデビューした英国のロック・バンド。元は4人だったけど、メンバーが抜けて、現在ではアンディ・パートリッジ(左)、コリン・ムールディング(右)の二人だけになっている。ひねくれたポップセンス、ビートルズ大好きっ子にはたまらないメロディなどが持ち味だけど、個人的には好きじゃない。トッド・ラングレンがプロデュースしたアルバム『スカイ・ラーキング』や、『イングリッシュ・セトゥルメンツ』、『アップル・ヴィーナス』など多くの良作を残している。現在も活動中。


*ジョン・ゾーン

 アルト・サックス奏者。ユダヤ音楽をやったり、山塚EY∃なんかとネイキッド・シティなるバンドを結成したり。「日本人」以上に日本に詳しい人。確か高円寺あたりに住んでたんじゃなかったかな。覚えてない。


*ストーンズ



 ローリング・ストーンズ。チャーリー・ワッツ(ドラム)、キース・リチャーズ(ギター)、ミック・ジャガー(ボーカル)、ビル・ワイマン(ベース)、、ブライアン・ジョーンズ(ギター)。60年代にブライアンが脱退。死亡。ミック・テイラー(ギター)が加入。脱退。ロン・ウッドが加入。90年代になってビル・ワイマンが脱退。現在のメンバーに落ち着く。詳しいことはいずれ。
 ビル・ワイマンのベースは、好き勝手なところで弾いたり弾かなかったり、音としてもモコモコとしていることから「うなぎ奏法」と呼ばれたりする。 また、ビルは、メンバーではあるのに、レコードでは演奏していないことも多かったため、「静かなるストーン」「負のストーン」などとも呼ばれていた。この話もいずれ。


*キング・カーティス



 多くのレーベルを渡り歩き、数々のセッションに参加したサックス奏者。ジョン・レノンの『イマジン』や『ロックンロール』セッションにも参加している。今回取り上げた『ライブ・アット・フィルモア・ウエスト』でのライブの後、路上にいたジャンキーに胸をナイフで刺され死亡。


*親方

 森と白木の数少ない音楽仲間。押しの弱い性格のため、いつも森や白木にいろいろ意見を言われ混乱させられている。良心的な音楽愛好家であると同時に、いじりだしたら止まらないオーディオオタクでもある。


*ピーター・バラカン

 音楽評論家。ラジオDJ。当時のイギリスをリアルタイムで経験した人。現在、レコードコレクターズで連載中のバラカンの連載がこれまたおもしろいので、買うのが面倒な人でも、立ち読みくらいはしてみよう。バラカンさん、ぼくもプログレ苦手です。日本語が相当達者で、奥さんも日本人。


*大鷹俊一

 シュンイチではなくトシカズ。音楽評論家。書いている評論は別にいいとして、しばしばおかしな「てにをは」を使用したり、逆接「が」で延々文を繋いだりする。ライナーノーツって、ミスプリントも多いので、どこまでが本人の原稿によるミスなのかわかんないけど。森が持ってるCD中、この人がライナーを書いているものはかなりの数になる。ジミヘンの『エレクトリック・レディランド』はもう1万回くらい聴いたらしい。ほんとかよ。


*ツェッペリン



 レッド・ツェッペリン。ロバート・プラント(ボーカル)、ジミー・ペイジ(ギター)、ジョン・ポール・ジョーンズ(ベース)、ジョン・ボーナム(ドラム)の4人組英国ハードロックバンド(と言われているが、ハードロックに限定されない多様な音楽性をもったバンド)。ドラムのボーナムが死亡したため現在は活動休止中(多分活動再開はない)。これを知らないとモグリ、そう言われちゃうくらい有名です。ディープ・パープルなんかと並んで「ロックと言えばこれ!」、日本じゃなんかそんな感じですよね。
 ちなみにカタカナで書くと「レッド」だが、綴りはred(赤い)ではなく、led(鉛)。中学生の頃の森は、「赤ってledとも綴るんだぁ〜」とカンチガイしていました。LとRの区別もつかないから、イギリス人にバカにされるんだ!


*フィルモア・ウエスト

 フィルモア・イーストとウエストと二つある。ビル・グレアム主宰の伝説的なニューヨークのライブハウス。ローラ・ニーロ、ジミ・ヘンドリクス、マイルス・デイヴィス、アレサ・フランクリン、ジョン・レノンなど、多くのミュージシャンが東西フィルモアでライブをし、ライブ音源を残している。
 当時は(現在でもそういうところあるけれど)、人種によってリスナーが相当分断されていた。フィルモアに多く集まるのは、ヒップな白人オーディエンス。当然、そういう客に「ウケ」るものを演奏する必要があったらしい。


*ジミ・ヘン



 ジミ・ヘンドリクス。背中でギターを弾いたり、歯でギターを弾いたり、背中のギターを歯で弾いたりする伝説のギッチョ・ギタリスト。気にいろうが、気にいるまいが、ギターと呼ばれるものには火をつけずにはいられない性癖の持ち主でもある。バンダナに善人なし!
 独自の音響感覚の持ち主で、エレキ・ギターという楽器の可能性を大きく拡大した功績もさることながら、作曲やアレンジまで含めてトータルに表現された「ジミ宇宙」が素晴らしい。70年にお酒飲んで薬飲んで吐いたゲロが喉につまり死亡。


*ワウ・ペダル

 ギターのエフェクターの一つ。「ワウワウ♪」言うからワウ・ペダルという名前らしい。ギターの音についてはこちらを参照。